3月議会に出された議案、ぜんぶざっくり解説(令和8年度予算ほか)
この議会のポイント
- 令和8年度の一般会計予算は289億4,100万円。前の年より9億2,400万円(3.3%)増えました。
- 予算のうち、デーノタメ遺跡の土地を買う6億5,195万円を削る修正動議を、永井が提出しました。結果は否決です。
- 議員報酬を引き上げる条例、総合公園などの体育施設の利用料金を見直す条例も可決されました。
3月議会は、翌年度の予算を決める「予算議会」です。市長から議案23件が出され、すべて可決・同意されました。種類ごとにまとめて紹介します。
令和8年度の予算
一般会計予算(令和8年度)
総額289億4,100万円。市税は約94億8千万円で、前の年より3.2%増える見込みです。福祉などの社会保障の費用と、公共施設の整備・改修・統廃合の費用が増えています。
主な新しい事業:北本駅東口のシェルター整備、地域公共交通計画づくり(約894万円)、デマンドバスの1台増車(5台体制の実証運行)、5歳児健診、東小学校の給食室の建て替え(約1億5,655万円)、小学校の照明のLED化(約1億8,388万円)、生成AIの導入など。
デーノタメ遺跡については、史跡の土地の一部(全体の約2割)を買うための費用6億5,195万円が入っています。
永井は修正動議を提出デーノタメ遺跡の買収費を削る修正を求めましたが、賛成少数で否決されました。
修正動議でのやりとり(予算決算常任委員会・3月19日)
修正動議には、ほかの委員から多くの質問がありました。永井の答えの要点です。
| 遺跡の買収に反対なの? | 反対ではありません。国の史跡になった以上、行政が責任をもって買うべきです。ただし、計画を先につくってから、という順番の問題です。 |
|---|---|
| ナラ枯れがあるから急ぐのでは? | ナラ枯れを理由にすぐ買うのは筋が違います。本来は今の所有者が対策するもので、市が対策の補助を出す、所有者の了解を得て市が入って対策する、といった方法のほうが早く対応できます。 |
| 国の補助がなくなったら? | この補助制度は昭和32年度から続き、平成5年度に100億円を超えてからずっと100億円以上が確保されています。リーマンショックやコロナ禍でも途切れていません。 |
| 財務省の指摘とは? | 財務省の調査では、補助を受けて買った史跡の42%が「活用していない」と答えています。財務省は「活用方法を事前に検討しない買上げに補助するのは適当ではない」と指摘しています。 |
| 過去の議会の決議は? | 令和5年6月、議会は全会一致で「費用対効果を十分に考えたうえで計画を策定すること」を求める決議をしています。今回の予算は、その順番が逆です。 |
この予算で買うことになった土地は、9月議会で売買契約の議案として出されました。9月議会の解説記事もあわせてお読みください。
特別会計・下水道事業の予算
後期高齢者医療(14億6,010万円)、国民健康保険(64億190万円)、介護保険(66億7,570万円)、久保土地区画整理事業(9億680万円)、県央広域公平委員会の各特別会計と、公共下水道事業会計(支出17億6,405万円)の予算です。
久保の区画整理は、南小通りの排水を良くするため、雨水管を埋める工事を予定しています。下水道は、経費をどれだけ使用料でまかなえているか(経費回収率)が約75%で、桶川市(約85%)などより低い状況です。
条例
議員報酬の引き上げ
市長の諮問を受けた「特別職報酬等審議会」の答申をふまえ、議員報酬の月額を引き上げます。議員は35万5千円→37万2千円(議長は43万3千円→45万4千円)。4月から適用です。
総合公園などの体育施設の利用料金を見直す
総合公園の多目的広場、野球場、テニスコートなどの利用料金の上限を見直します。維持管理にかかる費用(原価)をもとに、市の「使用料・手数料の適正化方針」で計算した額です。新しく付けたスコアボードは別料金になります。令和9年1月から適用です。
たとえば多目的広場は1,700円、野球場は2,250円、クレーのテニスコートは250円、人工芝のテニスコートは400円(いずれも改正後の上限額)。市外の人は2倍、中学生以下の団体は半額です。料金収入は年に約240万円増える見込みです。
建設経済常任委員会(委員長:永井)で審査し、全員賛成で可決すべきものとしました。
そのほかの条例改正
ふるさと納税の寄附を使える事業に、第六次総合振興計画の新しい政策を加える改正(第17号)、組織の見直しにあわせた条文の整理(第18号)、マイカー通勤の手当の上限を国に合わせて引き上げる改正(第19号)、公示送達をインターネットでもできるようにする改正(第21号)、国の「子ども・子育て支援金」の分を国民健康保険税に加える改正(第22号)です。
補正予算(令和7年度・令和8年度の予算の見直し)
令和7年度の補正予算
年度末に、事業費の確定にあわせて予算を整理する補正です。一般会計は1億7,494万円減って、総額約303億8,777万円になりました。久保の区画整理は、国の補助金が予定より少なかったため、3億6,525万円減っています。
また、デーノタメ遺跡の保存活用計画をつくる業務の複数年契約の枠(約650万円)が、いったん取り消されました。
令和8年度の補正予算(第1号)
生活保護費の基準をめぐる最高裁判所の判決を受けて、保護費を追加で支給するための費用8,495万円を計上しました。
人事
人権擁護委員の候補者の推薦
任期満了にともない、太田清美氏を引き続き推薦することに同意しました。
請願
核兵器禁止条約の署名・批准を求める意見書の提出を求める請願
国に対し、核兵器禁止条約に署名・批准するよう求める意見書を出してほしいという請願です。建設経済常任委員会で審査し、賛成3件・反対2件の討論のあと、賛成多数で採択すべきものとしました。委員長の永井は採決に加わっていません。
出典:令和8年第1回北本市議会定例会 議案・議案概要書、北本市「市長提出議案の審議結果」、令和8年2月定例記者会見資料、予算決算常任委員会(3月19日)・同建設経済分科会・建設経済常任委員会の会議録