北本市議会議員

デーノタメ遺跡の土地を約4億5千万円で買う議案に反対しました(議案第71号)

3行でいうと

  • 国の史跡「デーノタメ遺跡」の土地、約1万㎡(3筆の山林)を市が買う議案です。
  • 価格は4億5,412万9,650円。1㎡あたり44,700円で、不動産鑑定の評価にもとづいています。
  • 費用の8割は国の補助金。残り2割(計算上約9,083万円)は市の負担で、買ったあとの整備費はまだ示されていません。

永井は反対会派「北本の将来を創る会」を代表して反対討論を行いました。

反対討論の録画を見る(1:38:50〜)

どんな議案?

北本市の下石戸下にある「デーノタメ遺跡」は、縄文時代の大規模な集落跡で、国の史跡に指定されています。市は遺跡の土地を少しずつ買い取って市の土地にする「公有地化」を進めていて、今回はその一部を買うための議案です。市が一定額を超える土地を買うときは、議会の議決が必要です。

デーノタメ遺跡の史跡指定範囲(赤線)と、今回市が買う土地(青、914・921・922番の3筆)を示した地図
赤線が史跡に指定されている範囲、青が今回市が買う土地(914・921・922番の山林3筆、約1万㎡)です。史跡全体のうち、西側の一部にあたります。画像をタップすると拡大できます。(出典:北本市の資料「公有地化予定範囲」)

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買う土地史跡デーノタメ遺跡の公有地化事業用地
北本市大字下石戸下字蔵引耕地 914番ほか(山林3筆)
面積10,159.50㎡
価格4億5,412万9,650円
1㎡あたり44,700円(不動産鑑定評価による)
相手方地権者(個人)
なぜこの価格?地目は山林ですが、市街化区域で、かつて久保土地区画整理事業の区域内だったため、「宅地見込地」として、宅地に造成した場合を想定して鑑定されています。
支払い1回目:3億1,789万650円(10月めど)
2回目:1億3,623万9,000円(11月めど。抵当権の抹消と所有権移転の登記、引き渡しを確認したあと)
お金の出どころ国の補助金が8割(契約金額にかかわらず8割と答弁)。計算すると、今回の契約では国が約3億6,330万円、市が約9,083万円を負担することになります。
(参考)予算時の内訳今年度の予算6億5,195万円(不動産鑑定の費用を含む)の内訳は、国の補助金80%、地方債(市の借金)約18%、ふるさと応援基金と一般財源で約2%。実際の契約額は予算より約2億円少なくなっています。
残りの予算今回の土地に隣接する土地を、年度内に買い足す予定です。

これまでの経緯

この買収の予算は、今年3月の議会で可決されています。永井の会派はそのとき、買収予算を削る修正案を出しましたが、賛成少数で否決されました。今回の議案は、その予算を使って地権者と売買契約を結ぶためのものです。

6月議会の一般質問でも、計画より先に予算化した進め方などを市にただしてきました。(6月議会の一般質問を見る)

ここが論点

1. お金がかかるのは、遺跡だけではない

公共施設や道路・下水道の老朽化、激しさを増す豪雨災害への備え。北本市には、これから多額の費用がかかる課題が山積みです。文化センターの改修も控えています。

2. 「補助がなくなる前に買うべき」は本当か

賛成の立場からは「国の補助制度がいつなくなるかわからない」という声があります。この補助制度は1957年から続き、国の予算も徐々に増えて、100億円強が確保され続けています。

3. 「ナラ枯れ対策」は急ぐ理由になるのか

3月に予算を組む際、市は「ナラ枯れ(ナラ類の木が枯れる被害)対策のため、急いで用地を買う必要がある」という趣旨の説明をしていました。しかし予算が可決されてから半年、土地は買われておらず、ナラ枯れへの対応もされていません。9月議会の議案質疑で、市は「ナラ枯れはすでに発生しているが、現状は対応できていない」と答えています。

議案質疑で永井が確認したこと

財源の内訳は?予算(6億5,195万円)での内訳として、国の補助金80%、地方債約18%、ふるさと応援基金と一般財源で約2%と説明。再質疑で、国の補助8割は契約金額にかかわらず変わらないと答弁。
余った予算はどうする?ナラ枯れの危険箇所や、相続で権利関係が複雑になりそうな土地に注意しながら、隣接地の購入を進め、年度内の完了を見込む。
山林なのに、この評価額でいいのか市街化区域で、かつて区画整理事業の区域内だったため、宅地見込地として鑑定。1㎡あたり44,700円。
ナラ枯れへの対応は?すでに発生しているが、現状は対応できていない。所有権が移ったあと早急に対応する。オオタカが繁殖している場合は、影響のない9〜12月に作業する。
ナラ枯れの対策費は、価格から差し引かれている?差し引きはない。鑑定の単価に面積をかけた額がそのまま契約金額。
抵当権はどう処理する?地権者・抵当権者・市の3者で協力し、互いにリスクを負わない形で手続きを進める。

永井の判断

反対反対の理由は、3月に修正案を出したときから変わりません。計画がないことです。予算化されていても、ここで勇気をもって立ち止まり、十分な計画をつけたうえで、改めて3月議会で予算化するべきだと考えました。

出典:令和8年第3回北本市議会定例会 議案第71号、議案概要書、9月議会の議案質疑(会議録)、9月議会での永井の反対討論、令和8年第2回・第3回定例会の一般質問

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